新・最後のアジト




<< liblaryトップに戻る
新・最後のアジトact.26 「ロマンティックな予言者に満員電車の哀歌を」 

ここ数年カオルはヘンテコな「妄想」に囚われている。

あのさ。やっぱり「満員電車」っていうのは「異常なモノ」だと想うんだ。
見ず知らずの他人と強制的にカラダを触れなければならない。「知らない人の体臭」は不愉快だ。
わかってる。誰も好きでコミコミの電車に乗りたくない。でも仕方ないんだろ。
家族を養っていくために。学ぶために。それが「社会の仕組み」なんだもんな。
その稼いだ金の一部でカオルのCDやチケットを買ってくれる。感謝しています。
でもさ。本当に「仕方のないコト」なんだろうか?

カオルは感謝の証としてこのヘンテコな拙文がみんなの日常のささやかなアクセントになればいいなと。

カオルは不思議に思う。冗談抜きで。
どうして「満員電車手当て」というのがないのだろう?月1000円でもイイ。ほんの「気持ち」で。
だってさ。「兵隊あっての会社」だろ?部下があんなにギューギューで苦しい思いをしているのに。
月1度ぐらい。年に1回でもいい。重役さんやボスも満員電車で通勤してみればいい。
汗を拭きながら「部下の仕事部屋」に駆け込んでくる。
「いやーまいった。遅刻しちゃったよ。ホームでヒトゴミにもみくちゃにされてさ。
 それにしてもキミタチは毎日あんな尋常じゃない非人道的な思いをしてまで働きに来てくれるのか。
 ありがとう。ささやかだけどプレゼントを。3つの中から選んでくれ。『休日・社員旅行・現金』」

でもきっとこんなバカオルの考えは現代文明社会ではどーせ「はぁ?」なんだろ?
そんな「ロマンティックな発想」なんぞじゃ「儲かる会社の経営」なんかできないんだろ?
カオルは言切る。「そんな社会の仕組みは間違っている。ぜったいに不自然だ」。
そう。すでに「世界(人間社会)は終っている」ぜ。

カオルの「妄想」は「実はノストラダムスの予言は当たっていたのでは?」なの。
「199X年世界は滅びる」ってヤツ。オレはある意味もうとっくに「終ってる」気がするの。
だってよくなる気配ないじゃん。正直者がバカを見てるじゃん。戦争も変な犯罪も増えてるじゃん。な。
人口も減っていくんでしょ。スマトラの地震では10万人以上の人が死んだ。
ハリケーンやイラク戦争でも沢山の人が死んだ。そんな昔の話じゃないぜ。2年以内の話だ。
ノストラダムス君。キミにカオルは1票を投じる。
滅んでいるというのが言い過ぎなら「滅びつつある」でどうかしら。

でもさ。他の動物達(特に人間が「食料」としている動植物ね)は喜んでるかもよ。
「ヤッター。センソウダ。イジョウキショウダ。レンゾクサツジンダ。
 タクサンノ『ジンルイ』ガシヌ。オレタチ『食われなくて』タスカッター!」
オレは養殖されたり檻に入れられて鑑賞されたりされるのはイヤだよ。

カオルは現在新曲を書いている。
まだ完成にはほど遠いんだけどその「初稿」のひとつを。

 とっくに世界は終っているのに
 ホントは時代は滅んでいるのに
 それでもワタシは未来をアテにしている
 ロマンティック中毒さ

人類愛。
地球から「人類」なんかいなくなれば
「愛」だけが残る。
環境問題もあっさり解決。
神様は人類に甘すぎましたね。
てんで「しつけ」がなってないでござるよ。

おしまい。
   
  act.27へ→