新・最後のアジト




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新・最後のアジトact.35 「永久の前歯に恐怖の押しボタンを」

ハッキリは覚えていないが今年の春の終わりぐらいに右奥歯が5ミリほど欠けた。
愛猫レインの歯周病と同じ時期だったかな。HP日記に書いてあるはず。
何かを食べるとすぐその穴ぼこに詰まってしまう。
そのせいか「奥歯に物の挟まったような言い方」が増えているような気がする。
最近は冷たいモノなどが沁みて痛い。
夜中にアイスクリームや甘いパンなどを貪り食い歯を磨かなかったのが原因か。
あんまり痛いのでバファリンなどを多めに服用する。早く作用させたくて溶けやすいように噛む。
すると「バファリンの破片」が奥歯の穴ぼこに詰まる。グッドアイデアとほくそ笑んだがあまり効果はないようだ。

たしか去年の2月頃も歯医者に通った記憶が。場所も同じだったような。
歯医者は恐い。
「テレビのアンケート。会場のみなさんスイッチオン!」みたいな装置が欲しい。
痛いときや恐いときやココロの準備が出来てないときに合図できるボタンが。
ツバをうまく助手が処理できなくて飲んだら「アグン」とかなって
口を思わず閉じたり咳き込んだりしてしまうのではないかという恐怖。
あの近代的な拷問道具のドリルが。チュゥイ〜〜〜〜ンと回転する音が。
マスクの下でお医者様が「へ。こいつビビってやガル」とかほくそ笑んでるのか。

我々がガキの頃に願いをこめ屋根の上や縁の下に投げた「乳歯」のかわりに手に入れたものは
「永久歯」ではなかったのか。
全然「永久」じゃねーじゃんか。銀とかで補強したりさ。
「再生不能歯」じゃねーか。
ガックリだぜ。

カオルは30歳頃に前歯も欠けてしまい歯医者に行った。
助手もおらずひとりで治療も事務もやる「町のブラックジャック」的なお医者様だった。
「にいちゃん。どうしたの?」
「飴を。ミルキーを久しぶりに噛んでいたら前歯が」
「どれ。ふむ。破片は持ってるか」
「いま持ってないですが部屋の灰皿付近に記念として放置してあります」
「すぐ取ってこい。うまく繋がれば10年は大丈夫だから」
取ってきた。繋いでもらった。それ以降前歯でモノを噛まないせもあるのかもしれないがすでに10年以上平気だ。
当時すごくビンボーだったのだが余裕で払える金額だった。
しかも1回ですんだ。

アル中時代幻覚で苦しみそのあと「かなりきついウツ状態」になった。
その時からなぜか「ものすごく歯ぎしり」をするクセがついた。いまでもたま〜にある。
とにかくすごい歯ぎしりで犬歯が欠けさらに研磨されナイフのようにとがり実際にちょっと舌を切った。
「舌ガンになる」とか脅かされ自分でも気になったので「犬歯をまるく」削ってもらった。
どこの歯医者に行ったのかは覚えてないんだけど
わずか10分足らずの治療ですげー高い金を取られたような。

オレは痛いから歯医者に行かなくてはならない。
恐いけどオトコノコだからがんばる。
「歯切れのイイ文章」を書いてみたいのだ。

オシマイ。
   
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