横浜坊主




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横浜坊主 その04 「どうして缶コーヒーって小さいのしかないんだ」の巻

すっかり涼しくなった。
3シーズンをサンダルで過ごすオレにとって靴を履かなくてはならない窮屈な季節の到来。
今回は食欲の秋にふさわしく「味」について。
どちらかと言えばオレは味に静かなほうだ。
もちろん好き嫌いはあるが体調でも悪くない限り出されたものは全部食べる。
御馳走された場合は当然として自分で金を払って失敗したなと思うような時でも全部食べる。
よくつけ合わせのパセリやクレソンなんかがポツンと皿に残されているがオレは食べる。
確かに使い回されている可能性もあるがまさか腐っている訳ではあるまい。
もしパセリを使い回すようなモラルの店だったらきっと他の食材だって危ない。
逆にちゃんとしたプロの料理人なら
パセリも素晴らしいはずだ。だから食べる。
大体オレは一日に二箱以上のタバコを吸うので味についてうるさく語るのはおこがましい。
缶コーヒーのCMなんかで
「新○○製法でおいしさアップ」
「深入り焙煎でさらに深い味わい」
なんてやっているが情けないことにオレにはその微妙な違いが分からない。
世間の人はきちんと飲み分けているらしく銘柄にこだわる人も多い。
オレは甘かったりミルクが入っていなければ何でもよく
それよりどうして缶コーヒーって小さいのしかないんだ。
ロング缶とかせめて350mlはないのかと思う。
先日ステーキを御馳走して貰った。焼き方を訊かれたのでレアと答えた。
冷めないようにとの配慮だろうが料理をのせた鉄皿がべらぼうに熱く食べ終る頃にはウエルダンになっていた。
一人前五千円以上するはずだが特製ソースというのがやたら甘く
正直な話ある意味吉野家のほうがうまいと思ってしまった。
酒をやめてからやたら甘いものを食べるようになった。
以前は飴ガム以外一切口にしたこともなく道で甘いものとすれ違い挨拶されても無視していたのに。
一説によると酒で摂取していた脳の唯一の栄養分であるブドウ糖が禁酒とともに欠如したため
脳が求めるためだそうである。
ちなみにオレの脳は酒とクスリのせいで年齢の平均よりかなり縮んでいて
これは珍しいという理由で川崎市民病院精神科にそのCT写真が保管されている。
   
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