横浜坊主




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横浜坊主 その06 「コーヒーとカタカナで言った」の巻

前回「鳥取出身の横浜弁を喋る男」のせいで書けなかった横浜市営地下鉄タバコ事件を書くつもりだ。
オレはロングピースを愛するヘビースモーカー。
軽いタバコが嫌いなので昨今のなんとかマイルドや〜ライト隆盛のヘルシーブームをとても苦々しく思っている。
シャンプーやマヨネーズじゃあるまいし
そもそもタバコを吸ってるくせに健康になりたいという根性がチッチッチだ。
環境問題シンポジウムの会場にガソリン車で行く無能市会議員や
結婚式で「めでたくゴールイン」を連呼する司会者と同じだ。
言うまでもなく結婚は通過点でありゴールではない。
「ゲームセット」や「試合終了」ならある意味正しいし笑えるのでこれぐらい言ってみて欲しい。
どうせ結婚式のスピーチや司会者の言葉なんぞ誰も聞いていないのだから。
以前オレは音楽仲間の結婚パーティで司会をしたことがある。
「それではそろそろ乾杯です。グラスを回して下さい。グラスを持ってきた人は回して下さい。プカプカ。」
なんてかんじで話したのだが一部の不良バンドマンと新郎が爆笑したぐらいで誰も気付かなかったぞ。
よいこのみなさんに説明するが大麻(マリファナ)のことを古いスラングでグラス(grass・草)と呼ぶ。
もちろん乾杯の時に必要なのはグラス(glass・ガラス)である。
何かの時にきっと役立つので覚えておいて欲しい。
ちなみにオレは英語の発音がヘタでLとRどころの話じゃない。
そのせいで何度かおかしな目遭った。
香港のマクドナルドでコーヒーを注文した。
本来なら下唇を軽く噛み「カフィ」などと発音するのだろうがオレは平然と「コーヒー」とカタカナで言った。
しばらくすると紅茶が4つ出てきた。はて?あ。そうか。
「フォーティー (four teas)」と間違われたのだ。世界は本当に広い。
その夜知りあったばかりのフィリピン人のバンドマンのアパートに遊びに行った。
何か飲む?と訊かれ二日酔だったしお茶には飽きていたので コーラを貰おうと思った。
でもまたカタカナで「コーラ」と言ったらきっと変なことになる。
しっかり発音しなくちゃだ。モゴモゴと口の中で練習して「コークプリーズ。」と言ってみた。
すると彼はなぜかやたら笑う。また変なことを言ってしまったのか。ウインクをしながら彼は隣の部屋に消える。
しばらくすると「どうしてあるのが分かったんだい。」と言うようなことを言いながら戻ってきた。
広げた手にはコカインの結晶。なるほどコークか。
教訓。バンドマンはどの世界でもアホでありやはり英語の発音はちゃんと出来たほうがよい。
   
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