横浜坊主




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横浜坊主 その08 「普通のマグルと同じで静電気が嫌い」の巻

今月こそ「横浜市営地下鉄タバコ事件」を書かねばならないのだが
パチパチ君全盛のこの時期にしか書けない話題がある以上そちらを素通りするわけにはいかない。
ある意味我が命にも係わることなので御容赦願いたい。
チンピラ詩人であるカオルも普通のマグルと同じで 静電気が嫌いだ。
フリースのパーカーを着てネコにスリスリした時なんか最悪である。
パチパチに驚いたネコの蹴りやひっかきも恐ろしい。まあ死ぬほどではないが。
キャッシュディスペンサーやJRの切符販売機に画面に指で触れるタイプのものがある。
乾燥肌のオレはなぜか寒いこの時期それらの反応がとても悪くなってしまう。
そんなことをしても無意味なのはわかっているが強くグリグリ押したり指に唾をつけてこすったりする。
それでもなかなか作動しないことが多い。
以前なかなか切符買えなくてだんだん面倒くさくなり その日の約束をキャンセルしたことがある。
電話で正直に理由を言ったのだが相手はなかなか信じてくれず
「もうあたしとは会いたくないんでしょ。ウソなんかつかずにハッキリ言ってよ。
 だって本当に会いたかったら 駅員さんや後ろの人に押してもらえばいいでしょう。」
なるほどそんな手があったな。コロンブスの卵だな。
なんて思っているうちに切られた。それ以来オレは彼女と連絡をとれない。
エレベーターのボタンにも 同タイプのものがある。10年ほど前訳アリの女性とラブホテルのロビーにいた。
カギを受け取りエレベータのボタンに触れるのだが例によってなかなか反応しない。
悪戦苦闘していると 背後のフロントにカップルの気配。
チラリと見るとなんと当時の女房の友人ではないか。
ヤバい。チクられる。 そんでもって殺される。
結局超ビビったため掌にじわりと汗をかきそれが原因かどうかは定かではないが
なんとか扉が開き九死に一生を得たが。
それ以来思いっきりテレビや伊東家の食卓などでその手の裏技がないか チェックしているが有力な情報はない。
原因も対策もわからないので便宜上オレは静電気を容疑者として捜査を進めている。
   
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