収録曲について
1 swing
まだ酒を飲んでいる頃につくった。
当時はライブハウスで働いていた。
シゴトが終わって酒を飲みながらギターをぽろんぽろんと。
すらすらとメロディーはできた。
歌詞は「しょぼくれたかんじ」にしたいと想った。
完成してすぐにバンドで試してみた。
ドラムは満園英二 ベースはたねけん。
バイオリンのオトコの名前は忘れてしまった。
いろいろやってみたのだけれど
この曲は「ひとりだけでピアノで唄う」のに相応しいと感じた。
10年ぐらい唄ってやっといいカンジにやれるようになった。
最後に「Life on Time」と唄っている。
レコーディングの時に不意にクチから出たコトバだ。
英語として成立するのかわからないけれど気に入っている。
2 遊び心
詩のアイデアは20年ぐらい前からあったのだけれど
曲として完成したのは今年の梅雨の時期だったかな。
録音の時にずいぶん苦戦したおぼえがある。
「喜ばせたろ」「死なさんせ」というフレーズ。
日本語としてどうなのかなと想うけれど
唄ってみるとしっくりくる。
もっと楽器がたくさん入っていたのだけれど
最終的にどんどん削っていった。
いろいろな意味で
「録音することによって多くを学べた曲」だ。
3 詩人は夜明けにガムを噛む
レコーディングの具体的な日程が出てからつくった。
「詩人は夜明けにガムを噛むという曲は
詩人は夜明けにガムを噛むというアルバムには入っていない」と
それが言いたくて歌詞を書いた。
ドラムもベースもなしで
カオルのピアノとギターだけで「リズム」を出したかった。
生ピアノには出せない音をやりたかった。
初日にぜんぶ録音したけれど
気に入らなくてぜんぶやり直させてもらった。
イントロとエンディングの「しょわしょわしたカンジ」は
サイトウヒロシプロデューサーのアイデア。
ぜひヘッドフォンで「ステレオ効果」を体感して欲しい。
4 星の落ちる場所
これも録音する予定がなかった曲だ。
千葉へむかう電車の中でひらめいた。
ライブハウスで働いている頃。
ゴミ箱に捨てられていく「バンドマンのチラシ」を見ていた。
寂しかった。
またカオル自身も曲を売り飛ばしていて虚しかった頃。
カタチに残す最後のチャンスだなと。
唄もピアノも同時録音で1回しかやらなかった。
「ピアノの音色」は確かなイメージがあって
エンジニア青木が疲れているのに「その音」にしてもらった。
デジタルだったからこそできた「ピアノの音」が
とても気に入っている。
つづく |