Down Road
レコーディング日記




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  レコーディング日記1 「 so sweetなサイトウヒロシの巻」
   

なにも記録がないので記憶をたよりに
カオルニューアルバム「Down Road 」について書く。

あらすじ。

昨年のルック20周年の頃だと想う。
千葉ルックの貴公子サイトウヒロシがオレのためにエレピを買ってくれた。
ルックは基本的にいわゆる「弾き語り」は出演しない。
だからエレクトリックピアノという軟弱なものはない。
しかし。
サイトウヒロシはカオルを溺愛している。(適当マシーン推測)
カオルが出演のたびにエレピをレンタルしてくれていた。

それだけで果報者なのだが
カオルは「今回のエレピは鍵盤がどーのこーの」と文句をたれる。
通常の千葉ルールではこの時点で「打ち首磔獄門の刑」だ。
しかし。
サイトウヒロシはカオルを溺愛している。(超憶測思い込み)
「仕方がない。
 家宝の狂咲夢太朗作(仮名)天上の漆黒器を売り払い
 極上のエレピをカオルに買ってやろう」

カオルは昇進した課長のようなスッテプで
5拍子のダンスを踊りながら満面笑みで言った。
「ヒロシ最高!!ビバ千葉ルック!!カオルラッキーボーイ!!
 このエレピをルックの新しいオプションとして
 1時間1億リラでレンタルしましょー!!儲けましょー!!」
しかし。
サイトウヒロシの溺愛は底なしである。
まるでドンキーホーテのポケモングッズを
孫のおねだり通りに買い与えるような好々爺の笑みで言い放った。
「カオル君。これはユーの専用だよ。
 他のヤツには触らせないよ。
 さあ。この白マジックで自分の名前を書きなさい。
 落とした時に名前が書いてあるとオッケーだから」

よいこのカオルは指令通りにエレピの背面に
「keep on Rock! kaolook!!」と書いた。
世界にライブハウスは星の数ほどあるけれど
歴史上「月イチも出ないヤツに専用楽器を買ったオトコ」は
サイトウヒロシぐらいではないかとオレは断言する。

すべてのバンドマンよ。
うらやましがりなさい。

さて。
いくらワガママのカオルでもさすがに「恩返し」を考える。
「ヒロシさん。年末に弾き語りのワンマンをします。
 チケット代は決めずに
 エレピ代金÷当日の人数にしましょう」
ひと味足りない。
「そうだ。オレってばCDつくりたいよ。
 それをワンマンの日に発売すればグッドアイデア。
 あの〜。
 プロデュースして下さい。
 御社青木エンジニアにも助力を請いたいと。
 よーし。燃えてきた。
 では。
 段取り根回しなどよろしくお願いします」
「ボPはオバマ大統領の次に忙しいが
 3日間ぐらいならいいでしょう」
「やったー!!3日あればらくしょー。
 余裕のよっちゃんヨーグルト。
 じゃあ打ち合わせは後日横浜で」

サイトウヒロシのマリアナ開胸より深い深い愛情と
カオルの甘やかされた大富豪の息子のようなワガママ。
我のまま。

しかし。
この「3日あればらくしょー」が倍以上の日程になるとは
この時のオレたちは予測さえしていなかった。

つづく。

   
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