まっしぐら




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「金閣寺の作り方などを」の巻 2001.7.14

堀立ての大根を貰った。罪深き私はまだ息のある大根に冷水を浴びせ
タワシでその白い肌をゴシゴシとこすり泥を落し口笛なんぞ吹きながら皮を剥ぎ
包丁で切り刻んだ。断末魔の叫びを無視して私はグラグラと煮え立った鍋の中に
放り込んでとどめを刺す。合掌。
残りの半身は鋭い歯を持つおろし金でガッシュガッシュと跡形もなくすりおろした。
数日前までは元気に泳いでいたサバの死体は供養もそこそこに強火で焼く。
同様の残虐行為をワカメやきゅうりなどにも施し食卓に並べる。
かるく両手を合わせガツガツと貪り食う。そうして私はゲームやセックスをしたり
ビーチで遊ぶのに必要なエネルギーを得るのである。原罪。弱肉強食。
動物が可哀想だから野菜しか食べないという愚かなベジタリアンなる輩が実在する。
彼等はリンゴの鳴声を聞いた事がないのだろうか。
小学生時代には夏休みのアサガオ観察日記を極甘の母親にやらせていたに違いない。
そして自分は冷房の効いた進学塾の教室で今は無き円周率πや台形の面積を丸暗記し
金閣寺の作り方などを学んでいたのだろう。ちなみに私は納豆を食べない。
可哀想だからではない。子供の頃野生の納豆に噛みつかれたトラウマでだ。
ところで私は観念しつつある。先月号のマッシグラやネコの雑誌で
小猫里親募集のお願いをしたが結局引き取り手が見つからなかったのである。残念だ。
猛暑の中8匹のネコ達と涼しい場所を取り合っている。新しい名前を考えている。
罪深き私はネコ達の去勢を考えている。ヤツラと話せたらなと思う。
そうしたらきっといい方法か見つかるはずなのに。
だいたい私には食べもしない他の生物をどうのこうのする資格なんてあるはずないのだ。

〜後日2匹は無事優しそうな若い夫婦に引き取られていった。
残り2匹は現在も我が家にいる。簡単な見張りと風呂当番をやってもらっている。
メスA三毛は「ゆっけ」メスB白黒は「しお」と改名。我ながら気に入っている。
   
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