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新最後のアジト「ボツ」原稿  カオル

 去年2004年はカオルにとってどちらかと言えば「ヒドい年」だった。非常に「心身共にバランスが悪く病気が多く不健康」で正月にガールフレンドに世帯主のクセに家を追い出されてから4月までにインフルエンザ・ガクカンセツ症・帯状疱疹などになった。帯状疱疹というのはすごーく痛い。カオルは定規でもあてたように頭から顔・クビ・胸など右半身だけがアバタ状態。医者から入院を懇願されるほどだったのだがその間に「誰もがハローと言える場所」のレコーディングがあったので断った。しかしツラかった。ちょっと汗をかくと頭皮がヒリヒリして集中できない。ヘッドフォンをして軽く頭を振るとちょっとした地獄だった。オマケに唄入れ前のストレッチで「立ちくらみ」マイクスタンドと譜面台の林にダイビング。左半身にたくさん傷が出来た。

 苦戦しながらもレコーディングは期日までに終了し6月の「CD発売ライブ」を待つばかりとなったのだが5月ぐらいから急激に「闘争心・好奇心」が激減し「他者とのコミュニケーション」というのが猛烈にイヤなってきた。理由などわからんが精神科医の所見によると「極度の鬱状態」らしくスタッフと相談し「CD発売ライブ」を無期限延期に。HPも閉鎖。アジトを転々としひきこもりの日々。そして6月9日「ロックの日」に睡眠薬を98錠ポカリスエットで飲んでしまう。(よいこのみなさんへ。ポカリスエットは運動やライブやセックス後の水分補給などに飲むモノです。「ずっと眠っていたいぜ」なんて睡眠薬を沢山飲むために使用するなんてバカたれな人がやることです)。

 結果的にだがその荒療治・逆療法が功を奏し夏ごろから「復活へのリハビリ・肉体労働」なども始める。(カオルHP過去日記04年8月の穴掘りのやつなどを参照)そして9月11日にCD発売ライブを行うのだがその後「リバウンド・揺れ戻し」が来る。その時期居候していた実家にある「過去に関するモノ」がなんだかとても不愉快でひと晩かけてゴミ袋13個・段ボール箱5個分の「小さい頃からの写真・様々な音源・作文・アクセサリー・記念品・服・本」などを「燃やそうと想えば燃えるゴミ」として捨てる。たぶん目は血走りなにかブツブツつぶやいていたと想う。そんで狂った脳みそで考える。「よくわかんねーけどわかった。腐りきった滅びゆくジャパンにいるからダメなんだ」そんで「無期限海外逃亡」を企てる。「とにかく凍死の心配がない南の島だ。ガールフレンドとネコ同伴が望ましいがこの際単身でも仕方ない。よし。年末のワンマンが終ったら打上げの時トイレ行くフリして会場から消えてしまおう。そんでどっかビジネスホテルにでも泊まって次の朝イチでゴーじゃ」でパスポートを探すのだがない。まさか捨ててしまったのでは。とにかくない。大量にモノを捨ててシンプルで探しやすくなった部屋。かなり細かいところまで探すのだがない。しゃーない。再発行だ。

 という訳で手続きを始めたのだが大変だった。だいたいカオルは役所が苦手だ。緊張してしまい変な汗が出てくるしうまく喋れなくなる。そんで必要な書類に記入してもすぐ間違えたりだいたい役所の書類の記入欄は小さすぎる。でもがんばって書き終え親切そうなおば様の窓口へ提出。しばらくして呼ばれる。おば様が優しく言う。「ねえ。あなた本籍3つもあるよ」何度もアジトを変えたり離婚したり追い出されたりのカオルはその都度の「役所へのお届け」などがいい加減であった。「とりあえず本籍をひとつにしなきゃ。じゃないと書類出せないから。ここに『行く役所の順番』書いておいたから。今日はもう時間的にムリだから明日朝からがんばって。そしてまたここへ来て」やはり親切であった。

 そんで4つの区役所・警察署を往復しその都度まごまごし係の人に面倒くさがられながらも手続きを済ませ親切おば様の元へ。
「ウン大丈夫ね。じゃあ来週の月曜以降に来てね」
あれ。パスポートの再発行って「12日間」かかるんだったよなあ。「15日間」だっけ。あん?土日祭日をのぞいてだと。ぎゃお。年内の取得ムリじゃねーのか?まあいいや。なんとかなるだろというカンジで「渡航予定地のガイドブック」なんかを買ったりしていた。

 ガールフレンドの証言によるとアジトで眠っていたカオルは深夜突然叫んだらしいのである。「そりたの警告だ。海外逃亡は中止」。そんでまたグッスリ眠ってしまう。(「そりた」というのはカオルが猛烈に愛していたネコ。HP「図書館」の「誰ハロサブストーリー」や5月ごろの日記に)
目覚めたときカオルは案の定覚えていない。「そうか。そりたがそう言うのなら中止の方がいいのかなあ」なんてボンヤリテレビを観ていたら「スマトラ沖地震」のニュース。え。
カオルは渡航予定地に南の島だし語感がよいなと想い「カオラック」を選択肢に入れていたのだ。津波の被害が最も大きかった土地のひとつである。

 12月後半のワンマンが近づくにつれパスポートないからどうせ逃亡できないしきっと「してはいけないんだろう」という想いが強くなってきた。「霊的・オカルト的」な因果関係に興味はないし結局パスポートの取得は年を越した。(今年2005年1月)
カオルの写真には眉毛がなく係の人に「この『写真と著しく容貌が違う場合』っつーのは『眉毛はやしたらダメ』っつーことですかね?」と訊ねた。そんなつもりじゃなかったんだけどパスポートセンターの女性係員は不機嫌になってしまった。

 使うアテのなくなったパスポートを持って帰宅。ひさしぶりにギターの弦を張り替えようとしたらなぜかギターケースの中から古いパスポートがでてきた。シャクなのでワザと笑ってみた。
紛失したパスポートがあった場合「速やかに外務省に返還」なのだがカオルは「写真立ての部品」にして9/11のワンマンで売ってしまった。

 この文章は mumix magazineで連載中の「新最後のアジト」に載せようとしていたのだが内容が「変に個人的」すぎるし「教訓もオチ」もないしココまで読んだヒトはあれれと想ってるかもしれないが文章も非常に散漫である。本来ならゴミ箱直行なのだがなんとなく「恥をさらす」カンジでアップしてみた。

お付き合いありがとう。
おしまい。

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