薫風丸夢日記



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カオルは少年の頃から「夢」というモノにかなりの興味を抱いていたが 
いわゆる学術的な「夢の本」などは読んだことがない。
唯一フロイトの「夢判断」を20代前半で読んだのだけれど 
「文体」がカオルにとっては非常に苦手で途中で放棄してしまった。

「夢を分析」というモノが面白く感じられていた時期もあったけれど 
チカゴロは「だからなんじゃ」のようになってしまっている。

今回の夢はおそらく多くの人が見てるんじゃないかと。
それは「追いかけられる・逃げる」夢。
カオルは何度も見ていて多くの場合「追いかけてくるヤツ」は 
ほぼ同一人物であり「少年期の体験」とかなり重なっている。
新米の精神科医などが聞いたら「分析してー」と想うであろう「典型的」な夢じゃないかな。

この夢は内容的にはありふれているような気がするんだが 
「夢の見方」が少々変わっていた。
明け方この夢の途中で目を醒ます。タバコをふた口位吸ってすぐまた寝る。
すると「さっきの続きから」始まるのだ。そしてまた途中で起きる。
タバコをちょっと吸いまた眠り「その続きから」の繰り返し。
ちょうど「テレビドラマとCM」のような状況であった。

さあ。始めましょう。

薫風丸夢日記6 「迷子」

カオルは都内の駅にいる。これからヨコハマの家に帰る。
乗り換えが一回で1時間ぐらいで家に帰れる。通い慣れたルートだ。
電車は乗り換えの駅に到着。「5駅で家まで」のいつも電車に乗る。
しかし2駅ぐらい過ぎたところで異変に気づく。
「あれ?この駅はどこだ?」車内の路線図を確認すると 
それはとんでもない場所へ向かっている。早く帰りたいのに。どうしたもんか。
よくわからない。とにかくいったん「乗り換えの駅」に戻ろう。
電車を降り反対側の折り返す電車に乗る。
しかしそれはまた別の「とんでもない方向」へ向かっている。
(ここで一回目が醒める)

とりあえず適当な駅で降りて「駅員さん」に訪ねることにする。
とても広い駅で駅員さんを見つけるまでに時間がかかった。
「駅員さん。カオルの駅に着くためにはどのルートがいいのですか?」
駅員さんはものすごくやる気のないカンジでバカにもしているようで 
ニタニタ薄ら笑いを浮かべながら「あっちのホーム」とアゴで示す。
カオルは急激に怒りがこみ上げてきて駅員さんの胸ぐらをつかみ殴る。
しかしほとんど「空振り」だしまるで透明ニンゲンを殴っているように 
カオルの拳は駅員さんの顔面にあたらず通り抜けてしまうのだ。
カオルは猛烈な虚脱感を感じる。
(ここでまた起きた)

駅員さんに教えられたホームに向かって歩く。ずいぶん長い距離だ。
でも到着すると表示板には「カオルの家方面」とあるので安心する。
何となくあたりを見渡すと50mぐらい離れたところに 
「カオルが非常に苦手とする人物」がいる。カオルは下を向く。
電車が来る。その時そいつが大声で「かおる久しぶり」と叫ぶ。フレンドリーな声だ。
電車のドアが開く。オレもそいつも乗るがカオルやはりどうしても逢いたくないので 
ドアが閉まる直前に電車から降りる。走り出した電車の窓から 
そいつがホームにいるオレを見て「真っ赤なカオで怒っている」姿が。
(ここでCM)

困ったな。アイツはオレの降りる駅を知っているから待ち伏せしているかも。
きっと「ヒドいこと」をされる。もしかするとすぐ折り返してきて 
この場所に戻ってくるかもしれない。どうしようかと迷っていると 
後ろからS子が「カオル逢いたかった」とハシャギながら腕を組んでくる。
オレは「現在緊急事態である」というコトを手短に説明するのだが 
S子はどうも「他人事・逢えたことの方が大事」なカンジがしてオレはすごく苛立つ。
そうこうしているうちに反対側のホームにそいつが戻ってきた。
さらに「カオルが恐れているオトコ」を連れてこちら側のホームへ 
階段を走ってのぼってくる。ヤバい。ヒドいことになる。どうしよう。
(ここでまた目覚めました)

カオルはダッシュで改札へ向かいタクシーに乗る。S子も一緒だ。
「カオルの家まで」と行き先を運転手に告げる。運転手は面倒くさそうに車を発進させる。
振り返ると苦手なふたりも別のタクシーに乗り込んでいる。追いかけてくるのだろう。
「運転手さん。とにかく後ろのタクシーから逃げてください」と懇願する。
車は信号無視をしたり階段をのぼったり森の中を走ったりして 
なんとかそいつらから逃げ出せた。
タクシーを降りる時料金はS子が支払った。
一万円札で払えばいいのに「端数までぴったり」にするために 
財布をゴソゴソのんびり小銭などを勘定している。
グズグズしてたら見つかるかも。
カオルは大声で「釣りなんかいい。一万円で払え」と怒鳴る。

そしてその自分の「怒鳴り声」でメガ醒めた。

さすがに「もう続きは見たくない」を想い 
起きるには早い時間だったが窓を開けて一服して 
アタマを整理しながらコレを書いた。

この夢は「実家に戻ってから」たまに見るようになった。
苦手なそいつらとすったもんだしていた記憶が無意識化蘇っているのだろう。
「もう見たくない夢」のひとつである。
でも「実家で居候している間はしゃーないのかなあ」と半分あきらめている。

おしまい。
 
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