新・最後のアジト




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新・最後のアジトact.23 「終身刑のモルモットに慈悲のセレナーデを」

「性善説」という考え方がある。
誰が言い出したのか知らんが「人は生まれながらにして善である」と。
カオルはそれがへーこいてプーなカンジで大嫌いなのだ。
性善説を「カオル的解釈」すると。

たとえば路上に現金を一億円積んでおく。
田舎の無人野菜売り場のように。そんで看板を出す。
「お金がなくて苦しんでいる人はここから必要なだけ持っていって下さい。
 そしてあなたが成功したらほんの少しの利子を付けてここに戻して下さい」
それがいつか必ず増えているという考え方。
ちょっと極端だけれどこんなイメージを持っている。

ジャパンは「性善説」をベースに物事が成り立ってるような気がする。
自動販売機がある国は珍しいらしい。だから外国の人は「路上に金が入ってるモノが置いてある」と。
例えば深夜自分の家の庭に「誰か」が侵入してたりするでしょ。
ジャパンの人は「誰だ?なんの用だ」とか御親切にお訪ねになる。
でも欧米の人なんかは即座に「敵」と判断し威嚇射撃なんかをする。「フリーズ!」とかね。
名前は忘れちゃったけどアメリカのとある本屋のチェーン店なんかは
入店したお客さんの「カバン・コート・デジタルカメラ」なんかを
問答無用でカゴかなんかに預かる。当然だが万引きはずいぶん減ったらしい。

いつものように無理矢理の結論を述べる。
カオルは「死刑」と「無期懲役」以外に絶対に「終身刑」が必要だと考えている。
だって「無期」といっても15年が相場だから「人殺し」でもそれぐらいで出所できる。
親分の「代打殺人」を遂行したあとワンカップ大関を3本ぐらい一気飲みして
血のついた凶器持ってそのまま自首して刑務所内でヨイコにしてりゃ8年ぐらいで出所だぞ。
「被疑者はハンコートージ、アルコールによる酩酊ジョータイニアリ、
 ジョーシキテキ判断が困難であったとスイソクサレ、また動機も単純なものであり
 取り調べの態度も素直で反省のヨチも見られるし、殺しちゃったのもひとりなので
 まあ一応無期だけど10年以内には出所ってかんじでいいんじゃない?」

終身刑があれば「もしもの冤罪」も回避できるし
寿命が尽きるまでの間に演技じゃなく「改心」して社会に貢献できるかもしれないしな。
それにさ。「死」というものを「誰もが恐れる」とは限らないんだぜ。
「死」が恐くないどころか望んでるヤツだっていて
「自殺するのは恐いから誰でもイイから殺して死刑になろうと思いました」なんてヤツもいる。
そんなヤツは殺さずにだな。サプリメントとかたっぷり与え長生きさせたほうがいいんだよ。

連続少女殺人犯のミヤザキツトム君の死刑が確定したらしい。
カオルは残念だ。可哀想とかそういう意味ではない。
現在「理不尽な性犯罪」が増えている。
なぜ彼らは「そうしなければ・それをしてしまったのか」を知りたい。
うまれながらの「傾向」なのか脳などの「物理的疾患」かそれとも「生きてきた環境」か。
すごくヒドい言い方をするけれどミヤザキ君などはそのいい「サンプル」だと。
オウムの浅原もそうだけど「今後の予備軍」など未然に防ぐために
何度も汚い言葉を使うけれど「研究材料」にして欲しいなと考えている。
更生は可能なのか。どのポイントで「歪んでしまった」のか。
じっくり30年ぐらい時間をかけてなにかを発見してもらいたいなあと。

誤解されたくないので念を押しておくがカオルは「死刑いらない」と言ってるのではない。
「寿命が尽きるまでの終身刑が必要」だと言っているのだ。
カオルはアタマがおかしいし基本的に「ワル」だからもしかしたら「死刑相当」の何かを
やらかしてしまうかもしれない。
「オレは絶対に犯罪を犯さない」なんて言切れるほどの自信家じゃない。
そしたら「モルモット」として「似たようなヤツ」がしくじらないために利用してもらいたい。
そしてその罪の「代償」としてのなにかを「つくるチャンス」を与えてもらいたい。
どうしても「カオル君死刑だもんね〜」となるのであれば「被害者の関係者」にボコボコにされたいぞ。

ちょっと話題を変えて今回は終りにする。
カオルの友人に「多重人格」の女子がいる。カオルも「32条」の適応を受けている。
ボクらには「骨髄バンク・ドナー登録」の資格がないそうだ。アタマがオカシイから。

では。  
   
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