横浜坊主




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横浜坊主 その13 「あとは微生物に任せよう」の巻

今回は「カオル30を過ぎてレンタルビデオ屋でウンコをもらした事件」を告白しようと思うのだが
この事件名は長すぎるし情緒性に欠けているので以下コードネーム「プリン」と呼ぶことにする。
食事中に本やマンガなどを読んではいけないという有り難いおばあちゃんの教えを破り
現在このコラムをカレーなんぞ食べながらよんでいる人もいるかもしれないが
このプリンは情けなくて 臭い話なので注意したほうがよい。
プリンが起こったのはいつのことだろう。
正確な日時は忘れてしまったが6年ぐらい前の初夏だったと思う。
久しぶりの休日。2日間ひとりきりで羽を伸ばせる。
シャワーを浴びて自分で染めた短パンとTシャツに着替えた。
駅前で豚カツを食べた。
ピースを深く吸い込むとやたら美味かった。
髪はまだ濡れている。
今日は誰とも会わなくてすむ。
ワインを5本とジンを1本買う。
宿題もないし携帯は電源を切ってきた。
今日はずっとビデオを見よう。
テレビは大嫌いだからつけたくないけどなんか映像を眺めていたいのだ。
街道沿いのビデオショップに入る。
ここがプリンの舞台である。
人間はビデオや本屋などに行くと便意を催す。
ナルホド系テレビによると基本的に人は 本屋などには好きで行くしリラックスしていることが多い。
ひとりで楽しいものに触れる楽しい空間。
紙や印刷などニオイにもリラックスさせる物質が入っている。
そういうリラックスできる場所にいると人間は便意を催すらしい。
ワタシはその日とても楽しい気分でビデオを物色してた。
「まずエロ見るかな。ワインを茶わんでがぶ飲みしながら。オムニバスのくだらない系がいいな。
 思想性ゼロのやつ。そんでその後は重いテーマのドキュメント系がいいな。そしたらジンロックだな。」
こんなかんじでワタシはエロコーナーの一角で脳内にβエンドルフィンを垂れ流していた。
ああ気持ちいい。
そして巨乳系オムニバスの説明書きを夢中で読みながらワタシはすでに強力な便意を感じていた。
我慢するのがわりと気持ちいいタイプの便意だ。
額にはうっすら汗。
しかもそいつは強力で出口付近まで
何度も顔を出してくる。
気持ちいいが非常にヤバイ。
我慢も限界だ。
次のウエーブは防げないかもしれない。
そして作戦の決定を待たずに最大の波が来た。
神経を括約筋に集中させ必死の攻防。
セーフ。
と思ったのもつかの間短パンの裾からパチンコ玉ぐらいの茶色い物体がコロリ。
肛門付近でがんばってた大船隊の破片らしい。
マズイ。
便意は急速に収まったがこいつの処理だ。
どうしよう。
しかもそいつが転げ落ちた先はスカトロのコーナーだ。
大ピンチだ。
なんとかしなきゃ。
そうだ棚の下に蹴って押し込んでしまえ。
あとは微生物に任せよう。
よし。
サンダルをちゃんと履きマラドーナのイメージでキーック。
ズリ。
え。
ズリってなんだ。
お。
うご。
床になすりついちゃってるぞ。
表面積が格段に増えた分ニオイもキツくなっているぞ。
最悪の事態だぞ。
もう帰るしかない。
ビデオはやめてゲームしよ。
じゃあドラクエやるかな。
そうだ攻略本も買っていこう。
でも本屋で気持ち良くなってまたプリンじゃなあ。
それにしても下痢じゃなくて助かったよ。
あパチンコ行こうかな。
なんか出そうじゃん。
終り。
   
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