薫風丸夢日記



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薫風丸夢日記12 「キャンプ中止」
  
この夢はライブが終わった夜の次の夜にみた。
カラダもココロも消耗して早めに睡眠薬を飲んで寝た。
不可解な夢だった。
起きたのは午前5時。
枕元の時計をライターで照らして確認した。
なぜかアタマがくっきり覚醒している。
しかしココロはすっきりとしていない。
もう眠れそうにないのでとりあえずメモをする。

8畳ぐらいの部屋にオトコ7人とオンナがひとり。
オレ以外の6人のオトコはティーンエイジャーの頃のバンドの知り合い。
現実の世界では15年以上その誰とも逢ったことがない。
オレの中では「通り過ぎていったヒトたち」としてファイリングされている。
付記するなら「全員フルネームを想いだせるかな?」というカンジだ。
オンナはオレが特別な好意を寄せているオンナ。
黒くて長い皮のコートを着ている。
コートに隠れてわからないんだけど足はとても長いんだろうなとオレは知ってる。

オレたちはどこかへキャンプへ行こうとしているのだが 
天候がカンバシクないのでとりあえず8畳間でタイミングを伺っている。
オレとY君とタコ君ナオ君は麻雀のように卓を囲んでゲームをしている。
カードを使ってやるのだがオレにはルールがさっぱりわからない。
でもそんなコトを言うとバカにされるからわかったフリして一生懸命にやる。
それにしても。どうすれば「勝ち」なんだろうか? 
カードはとても綺麗な図柄が描かれているのだが統一性がない。
古いヨーロッパの辞書の挿絵のような絵だったり 
昔のタバコのデザインのようだったり 
チカゴロのコドモたちが遊んでいるようなモンスターのカードのようなモノもある。
それぞれに数字が書かれているのだが「136」とか「10027」とかよくわからない。

それでもオレは負けたくないから一生懸命やるのだが 
他の3人はくだらないコトを喋りながらふざけているので苛ついてくる。
Y君はギターを抱えていて時折「アル・パトリシアのマネ!」などと言いながら 
どこにでもある普通のブルーノートのフレーズを弾く。
ダサいしそんなギタリストの名前は聞いたことがない。
しかしナオ君はウケて大笑いしている。
ゲームの進行が滞る。みんな真剣味がない。アタマにくる。
タコ君は「自分が店長をしている美容室の自慢話」をオレにしてくる。
早口でひとりで笑いながらクチビルの端には唾が白く固まっている。

ゲームに参加していない他の3人のオトコたちは 
黒いコートのオンナの歓心を買おうとして口説いたり自慢したりしている。
オンナはそのひとつひとつにちゃんと対応してくる。
腹が立ってくる。
オレはオンナに「レモンを入れた水」を持ってくるように命じる。
オンナは手際よくそれつくり持ってくる。

「なあ。あんなヤツらバカだから。まともに相手するなよ。
 バカが伝染るぞ。イライラする」
「ゴメンナサイ。でもカオルのお友達でしょ。失礼があったら悪いでしょ」
「言い返すな。オレはバカが伝染るからヤツらと話すなって言ってんだ。
 いいか。バカと話すとオンナはブスになるんだ。ブスになりたいのか?」
「ゴメンナサイ。私はアナタの場所でアナタを待ってますから」
オンナは黙礼して8畳間を出て行く。
口説いていたオトコたちはオレに敵意を持っているようだ。

誰かが天候がよくなったのでキャンプに出発しようと言っている。
みんなさっと立ち上がり部屋を出て行く。
オレは早くオンナとふたりになりたいしキャンプなんか好きじゃないから 
帰ってしまおうと想うが「黙って消える」のは悪いような気がする。
仕方ない。とりあえず「急用だ」とみんなに伝えて帰ろう。

ドアを開けると玄関ではなく「仕掛け部屋」だ。
オレはわかる。
「この部屋には幾つか仕掛けがしてある。
 その謎を解かないと玄関には行けないのだろう。
 ロールプレイングゲームみたいだな」

ドアを閉める。左側には「オン・オフ」のスイッチが上下に2つ。
右側には「L・M・N」と書かれた古いテレビのチャンネルのようなつまみがひとつ。
ふむ。これの組み合わせが正解だと電気が点くのだろうか。
8種類ぐらいの組み合わせを試せばいいのかな? 
順番にやってみる。3回目で正解し電気が点いた。
上のスイッチをオフ。下のスイッチをオン。チャンネルはMに合わせる。
その電球はスポットのように30cmぐらいの光の輪である場所を照らす。
そこには大型の懐中電灯がある。
オレはそれで部屋全体を照らしてみる。
ああ。この部屋は円形なんだな。等間隔で30個ぐらいの木製のドアが壁一面に。
ふむ。ドアノブを触る前に全体をよく照らしてみる。
ほとんどのドアは「壁にかかれた絵」だったりドアだけが壁に打ち付けられている。
とりあえず「入ってきたドアの右隣のドアノブ」を回してみる。
そのドアは開かないのだがノブがスイッチになっているらしく 
どこか別の場所で「カチャリ」と鍵のような音がした。
マズいな。これは厄介な仕掛けだ。時間がない。

オレはすべてのドアをノックする。
そして「空洞のような音」がしたドアを思い切り蹴飛ばす。
何度も何度も蹴飛ばすと板が割れて「開通」する。
まぶしい光が差し込んでくる。
乱暴な方法だったが玄関にたどり着けた。

7人のオトコたちが待っている。
みんなオレよりもずっと早く仕掛けを解いたんだな。ドアも壊さず。
オレは「ビリ」のカンジが腹立たしい。
タコ君が言う。
「カオル。天気が急激に悪くなった。
 キャンプは中止だ。オレたちはこの非常滑り台で帰るから」と言い 
「オレンジの強化ビニールのパイプ」にみんな飛び込み滑っていく。
どこかのプールにあったウォータースライダーみたいだ。

オレはオンナに早く逢いたい。
きっとオンナはこの屋敷のどこかにいるはずだ。
しかし。また沢山の仕掛けを解かなければならない。
そんなことまでして「逢う価値」はあるのだろうか。
そうやってモジモジしているうちにメガ醒めた。

あとで気づいたのだが 
この夜オレは睡眠薬を「1錠飲み忘れ」していたのだ。
それは「悪夢止め・寝ている時に脳の活動を抑える」というタイプのクスリだ。
飲み忘れが原因かどうか確かめる方法はないのだが 
とりあえずこんな夢をみたよ。

 
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