横浜坊主




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横浜坊主 その03 「鶏やピクルスに申し訳ない」の巻

自慢するわけじゃないがオレの部屋は横浜でいちばん暑い。
立地条件もあるがクーラーがないというのがその大きな原因だろう。
以前は夕方前に起きたことなどなかったのだが最近は朝8時には起きる。
そう暑くてだ。開け放しの窓から差し込む直射日光がカラダを焦がすのだ。
見せられないのが残念だがこの原稿はしたたり落ちた汗で文字がにじんでる。
涙で文字がにじむのならば詩になるが汗じゃちょっとな。
先日などは唯一の冷房である扇風機を蹴飛ばして羽を折ってしまい
瞬間接着剤で修理を試みるが湿気のせいでなかなか付かない。
そこでオレはドライヤーでその部分を乾かすのだがその時ふと思った。
扇風機に風をあてるなんてものすごく情けないことなんじゃないのだろうかと。ふとな。
そんな訳で夏は働きもせず涼を求め連日元町プールでプカプカしている。
「アイツ遊んでばっかだな」と非難する意見も多数あるが間違ってるのはお前らの方だ。よく考えて欲しい。
我々より健康で体力のあるガキ共が「暑くて勉強に集中できない」という理由で40日も夏休んでいる。
既に中古品である我々などもっと無理だ。しかもクーラーのない部屋で生産的なことをするなんて
同情こそされても責められる筋合いはない。
原稿の〆切が遅れたのもそんな理由があるのだよ大村君。
プールで夜遊びをする体力を養ったあと横浜辺りで遅めの昼食をとる。
最近のお気に入りは西口の川沿いにあるストーブスのチキンバーガーだ。
噛めばちゃんと肉汁があふれるまともなハンバーガー。マスタードソース。
個人的にはピクルスの漬り具合やポテトの塩加減も好みだ。しかもデカい。中心の肉厚は3cmほどある。
高校球児ならいざ知らずひとりではちょっと食べきれない。残せばバチが当たるし鶏やピクルスに申し訳ない。
だから仕方なく小腹を空かせた女性を呼びだすことになる。
「アイツいつも違う女といるな」と非難する意見も多数あるがそんな事情があったのだよマスター。
   
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