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毒舌〜どくじた 第四回
詩人は長生きするそうだ。
ある対談集で宗教学者中沢新一氏がそう言っていた。
「詩はあまり売れないし詩人は働かないから貧乏だけど余分なストレスを感じることも少ない。
そして詩人は原稿用紙の升目を小説家のようにピッチリと埋めなくても
下が空いていてもいいというのが詩人を長生きさせる秘訣」
要約すると大体こんな感じになる。
確かにオレのこのコラムも右側ガラガラ。全然気にならない。
ただでさえ狭苦しい世の中だ。贅沢にいこうぜ。
偉大なる落書き野郎ピカソは80歳代で3人目の奥さんと子供を作った。
80歳の寺田町。橋本潤。そしてカオル。不良老人。真っ白なヒゲ。
どんな衣装を着て唄うのだろう。革パンの下にはやはりオムツか。
こだわるロッカーのことだ。革オムツかもしれない。
客席もものすごい状況になっているだろう。スタンディングなどあり得ない。
耳が遠くなっているのでものすごい音量でスピーカーは鳴っている。
老人は動きが悪いので50人程度の客入れに2時間以上かかるはずだ。
「前売りチケットはお持ちですか?」「え?なんですか?」
「ま・え・う・りはもってますか〜」「あー。ありますよ。ちょっと待って下さいね」
かばんをゴソゴソ。なかなか見付からない。東京都老人無料パスの間に
挟まっているチケットを発見するまでに約5分。
同様のことがドリンク代受け渡しの時にもくり返される。
さらにそのライブハウスが地下深くにあった場合の惨状は言うまでもないだろう。
カリスマボーカリスト諸君。「死ぬまでロックンロール」なんて
軽々しく言ってはいけない。若い受付のバイト君が途方に暮れているぞ。
オレは老後の対策としてすでに座って唄い
早い曲は唄わないようにしている。先見の明があると誉めて欲しい。
とにかく「チンピラ」の銀ボールをたたくとき
寺田町が骨折しないことを切に祈る。
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