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詩人バッカ3日目 主謀者カオルの推測
「バッカ」とはどういう意味なのかとよく聞かれる。
「詩人はバカ」でもいいし「詩人バッカリ」の略でもある。
個人的には「バッカ」という名前の酒がありそうな気がしている。
ギリシャの船乗り達なんかが好んで飲む安い酒だ。
もちろん推測だ。想像は誰にも止められない。思うだけならいいだろ。
ところで人類が最初に話した言葉はなんだろう。
オレは拒絶とか威嚇・警告に関する言葉じゃないかなとまたもや推測する。
短くて強い言葉。「NO」「イヤ」「だめ」「STOP」そんなタイプの言葉。
だって危険が迫っていたり食料が奪われそうな状況の時に
たとえば「ヒビリッパ・デラス・ボルガマリーチェ!」なんて言ってらんねぇだろ。
逆に「ありがとう」という感謝の言葉を使うようになったのは
ずっと後になってからじゃないのかなとオレは推測する。
自分が生きていることで精一杯で他人に感謝されるようなことを
やっているヒマなんてなかったのではないか。
クリスマスプレゼントもクロマニヨン人にはなかっただろうし
「これグアムのおみやげ。みんなで食べて。」というシチュエーションも
なかったはずだ。猿やハエやネコがお礼を言ってる所なんて見たことない。
エサをあげても当然という態度をする。でもあげないと怒る。
もしも言葉がなかったとしよう。
それでもヒトは嘘をつくのだろうか。
もしも言葉がなかったとしよう。
詩人は何をするのだろうか。
オレはたぶん途方に暮れるだろうなと推測する。
でも言葉はある。
だから詩人は嘘をついたり詩を書いたりするのである。
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2000 4 13 地球にて 薫風丸 |
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